染み

あの頃、幸せはどこにあっただろうか

毎日毎日部活をして 誰々と誰々が付き合ったとか あの子はあいつが好きらしいとか 初めて彼女と手を繋いだ時のあの気持ち どこに消えたんだろう 乱暴な大人を見て大人になっても自分は優しい人間でいようと思った時のあの感情

東京ってどんなところだろう、渋谷ってどんな街だろう 知らない人ばっかりで色んな楽しいことがあって恐くて悪い大人がいるんだ なんて 気づかないうちにその大人になってしまった 気づかないうちに慣れてしまった 人の優しさにも心の底からありがとうって思えない、気づけない大人になってしまった

いつまで純粋な心を持てていたかな 間違いを犯しても言い訳をしない人間だったかな 隠し事はしない人間だったかな 

いつから駅のホームでぶつかってきた人を睨んだり、腹立つ奴に隠れて中指を立てるようになったんだろうな 愛想笑いなんてどこで覚えたんだろうね 怒られても怒られてるフリをして 誤魔化して騙して嘘をついて自分を守っているうちに正しさを見失ってしまった 向き合ってるつもりが逃げていた 100円単位のお金は気にしなくなって 食べたいものは食べたい時に食べて 酒が飲みたかったら飲んで 寂しかったら誰かに連絡して 自分の欲求を満たすことに精一杯で 小さな我慢もできなくなって 一番当たり前じゃないはずの存在も当たり前になって

嫌な奴がいるから愛してくれる人間に気づけてありがとうが言えるわけで 嫌なことがあるから幸せに気づけて心から喜べるわけで 嫌な人も嫌なこともシカトしていたら愛してくれる人も幸せも目に映るわけがなかった

 

 

20160922