夜行バス

もうすぐ出会ってから三年と七ヶ月だって かなり時間が進んでて でももっと経っているような気がする 大人になってからの時間は際限なく進んで行くだけで 学籍番号で管理されていた頃とは違って立っている場所がわからない 三年と七ヶ月なんて中学生や高校生なら卒業してしまっている長さだし、大学生ですら終わりに近い 悲しいけど学生の頃の記憶もだんだん古くなってきたよ あの頃 全く縁のなかった新潟の景色はとてつもなく綺麗という訳でもなく ただ澄んでいて身体を気持ちよく抜けてった 音楽と匂いと記憶の中のふたりがどんどん感覚を戻して幼くなっていく 新宿発の夜行バスを涙目で見送ったことや愛飲していたラドラー、毎日のLINE通話 ODを目の当たりにした晩のこと 優しい手紙 メンヘラ同士だとかなんとか運命だとか最強のふたりだとか、絡まる糸が束になるみたいに過ごして周りのことなんてどうでもよくて、君が世界で、回る宇宙の中心で、来年どうやって過ごしているかなんてどうでもよかったんだ 死にたがれば会いにいった バイトも学校も捨ててでも世の中は捨てたもんじゃないと思って欲しかった 金や時間の使い道は酒や薬や音楽だけじゃないよ でも本当にハマってたのはこっちだったきっと 人間関係も不得意で人に嫌われることに怯えていた若さと、履き違えたプライドも人に対する執着も、今では綺麗に削ぎ落とされて感覚も思い出せない 今この瞬間があの頃から見る未来で そう考えるともがきながら変わりながら這いずりつつなんとか生活を手に入れたな 本当に新潟に住めることになるなんてね 人間関係も築いては疎遠になり失望したりされたり愛して愛されてやっと離れたくない人たちがいることに気づけた 東京も地元も新潟も姿が変わって廃れて見えたり眩し過ぎたり見慣れるようにもなった 吐く言葉も笑顔も下げる頭も前より大人っぽくなってこんなブログですら赤裸々になれなくなった 歳は薬だ 祖母が言っていた通りだ 僕らは揉まれて干渉されて 悟った者から角を削っていく

本当はいつでも素直になりたい いつまでも素直でいたい